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モーダルシフトとは!?意味やメリットデメリットを解説

現在、物流業界で「モーダルシフト」という言葉を耳にする機会が増えてきていると思います。

今回はこのモーダルシフトについて意味やメリット・デメリットなどを解説していきます。

モーダルシフトイメージ画像

モーダルシフトとは!?

「モーダルシフト(modal shift)」とは、環境への負担が少ない輸送方法の転換を表す言葉です。
国土交通省では、モーダルシフトを以下のように説明しています。

モーダルシフトとは、トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換することをいいます。
現在では、環境負荷の低減は多くの企業で社会的責任(CSR)と位置付けて、商品の生産から廃棄にいたる全ての場面で取り組まれていますが、その中で輸送(物流)における環境負荷の低減にはモーダルシフトや輸配送の共同化、輸送網の集約等の物流効率化が有効です。その中でも、特にモーダルシフトは環境負荷の低減効果が大きい取り組みです。

(出典元:国土交通省「モーダルシフトとは?」

この、モーダルシフトは実は2021年地球温暖化対策計画にて、2030年度に温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指すとなった時から言われ始めていましたが、

2024年問題の最大懸念である人材不足の問題も相まって最近さらに言われるようになりました。

総合物流施策大綱でも物流政策の柱として位置づけ

日本の物流政策を示した国土交通省の「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」の中でもモーダルシフトは物流政策の柱の一つとして位置づけられています。

実際に物流施策大綱では

  1. 物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(簡素で滑らかな物流の実現)
  2. 労働力不足対策と物流構造改革の推進(担い手にやさしい物流の実現)
  3. 強靱で持続可能な物流ネットワークの構築(強くてしなやかな物流の実現)

(出典元:国土交通省「総合物流施策大綱」

と記載されており、このうちの3のなかで「モーダルシフトのさらなる推進」が掲げられています。

 

モーダルシフトのメリット

モーダルシフトの導入及び推進・加速によりもたらされるメリットには様々なものがあります。

二酸化炭素排出量の削減による、環境に優しい輸送

先で述べたように、日本として、温室効果ガスの削減を明言している中で、輸送におけるCO2排出量を大幅に削減できることがモーダルシフトの最大のメリットです。

大量輸送、輸送の効率化によるドライバー不足の解消

働き方改革の一環として、2024年4月から自動車運転業務にも労働時間の上限規制が施行されます。

それに伴い、労働力不足が懸念され、2024年問題(2025年問題も含む)と呼ばれています。

モーダルシフトの推進により「大量輸送(長距離輸送)」では大量の貨物を少ない人員で一度に運ぶことを可能とし、ドライバー不足の解消につながることが期待されています。

 

モーダルシフトのデメリット

モーダルシフトのメリットは先述しましたが、ではなぜなかなか導入が進まないのでしょうか?

それには様々なデメリットが存在するからです。

天候や自然災害などの影響を受けやすい

トラック輸送ではなく船舶や鉄道などの輸送の場合、大雨や雪などの天候や自然災害によって輸送の確実性(定時到着)が低くなることにあります。

天候による遅延はトラック輸送でも同じではありますが、影響の範囲が異なります。

大きな影響が出てしまう理由としては、「輸送する貨物」、「輸送ルート」、「運行ダイヤ」等の要因が考えられます。

輸送する貨物の流動性

トラック輸送に比べて、鉄道・船舶での輸送では一度で運ぶ貨物の量が多く、また輸送途中での貨物の出し入れが難しくなります。

トラック輸送であれば、近くを走行している別のトラックに積み替える、貨物や荷物を分散させる等、対応が可能です。

輸送ルートの流動性

例えば、鉄道の場合、線路が一路線しかないため、そのルートが使えなくなると別ルートへの変更が難しくなります。

また、船舶輸送でも輸送ルートは事前に決まっており、随時変更することは困難です。

トラック輸送であれば、迂回する、別の道路に切り替える等、別ルートでの輸送が可能です。

運行ダイヤの流動性

鉄道や船舶の場合、運行ダイヤが事前に決まっており、それをズラすのは他への影響が大きく難しいことです。

逆にトラック輸送では、トラック毎で出発時間が異なり、複数の運行ダイヤでの配送・輸送が可能です。

ラストワンマイルへの対応

ラストワンマイルとは、配達店などの最終拠点から、お客様に荷物をお届けするまでの区間を指します。

トラック輸送であれば、大都市間の長い距離を走行する幹線輸送と、ラストワンマイルの両方の輸送に対応することができます。

一方で、鉄道・船舶での輸送は、「駅から駅の間」、「港から港の間」のみの輸送となるため、どうしてもラストワンマイルの輸送手段が別途必要になります。

代表的なデメリットとして上記に記載しましたが、それ以外にも駅や港の整備や、荷物の破損リスク、荷物のサイズや量の調整など、様々なデメリット(課題)があります。

まとめ

今回はモーダルシフトという言葉の意味や目的、そのメリット・デメリットを解説しました。

環境面はもちろん、物流業界における喫緊の課題である人材不足の面からもその導入や推進は必須のものとなります。

導入・推進への壁はまだまだありますが、様々な輸送手段の両立が必要になることは必須です。

 

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