春も終わり、これからは梅雨となりますが、梅雨が明けると…夏が待っています。
ここ数年は梅雨が明ける前から熱くなり、その暑さが一層厳しくなってきています。
実は6月1日から熱中症による死傷者が増える中、事業者に職場での熱中症対策を義務付けた労働安全衛生法の改正省令が1日、施行されました。
業員が熱中症となった場合の応急措置の手順策定などを求め、対策を怠った場合の罰則も設けられた。
猛暑日は増え続けている
出展元:「全国(13地点平均)の猛暑日の年間日数」
2023年と2024年の夏は、いずれも観測史上で最も暑い夏となり、2年連続で記録を更新したそうです。
日の最高気温が35℃以上となる「猛暑日」の地点数は2024年には1万か所を超え、福岡の太宰府では40日連続で猛暑日となるなど各地で過去最高を更新しました。
上のグラフを見てもここ数年で激増しているのがわかるかと思います。
熱中症による死傷災害の発生も増加
出展:「職場における熱中症による死傷災害の発生状況(別紙)」
令和7年5月30日に厚生労働省から発表された「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(令和6年)によると、
職場で熱中症となって4日以上の休業を余儀なくされるなどした死傷者は昨年、過去最多の1257人に上った。死者は31人で、3年連続30人台で推移している。
多くの事例では初期対応の遅れが見られた
発表の中で死亡災害の多くの事例では、重篤化した状態で発見されるケース、医療機関に搬送しないケースなど、初期対応の放置、対応の遅れが見られたとのこと。
労働安全衛生法の改正省令が施行
先述のような状況から熱中症対策を義務付けた労働安全衛生法の改正省令が施行されました。
対策の義務化は気温や温度などから算出する「暑さ指数(WBGT)」が28度以上または気温31位度以上の環境下で連続1時間以上か1日4時間以上作業する事業者が対象となります。
物流業界では多くの事業者がこの熱中症対策義務化対象事業者になるのではないでしょうか?
主眼となるのは「重症化予防」
対策の主眼は「重症化予防」です。
熱中症対策義務化対象事業者では
・熱中症の恐れのある労働者を早期に発見して職場で報告する体制を整える
・応急措置を施したり医療機関を受診させたりする
上記のような重症化予防の手順を定めることが義務付けられました。
整備した体制や手順について職場内に周知することも求める。
違反した場合、6月以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金が科される。
まとめ
人材不足の物流業界において1人でもかけてしまうことは業務に大きな支障をきたしてしまいます。
それに備えて人材の確保や業務量の調整などは必須の事ですが、今いるスタッフ・従業員の方がこの夏をしっかり乗り越えるためにもこの熱中症対策を守るとともに早期の予防啓蒙や備品の充実などを図っていく必要があります。